がん患者にも求められている緩和ケア

がん治療の初期段階からでも希望すれば受けることができる緩和ケアは、患者の痛みや苦しみを和らげることをことを目的としています。がん治療で使用される抗がん剤には、吐き気や嘔吐、節々お痛みや倦怠感など、様々な苦痛を伴うことがあるからです。また、緩和ケアのスタッフは、患者とその家族の心の不安を和らげるための手伝いも行います。がんと診断されると、不安によって眠れなくなったり、家族も患者への接し方がわからなくなったりするので、前向きに病と向き合うためには看護師のサポートが欠かせません。そのため、看護師は、患者のQOLを高めるために、幅広いケアに携わることになります。

ところで、緩和ケアのスタッフは、医師と看護師だけではありません。薬剤師やソーシャルワーカーをはじめ、管理栄養士や理学療法士など、様々な職種で構成されています。しかも、治療医の他にがんに伴う痛みをコントロールする専門の医師や、緩和ケアの専門知識と技術を持つ認定看護師が加わることもあり、手厚く患者のケアを行います。

このような緩和ケア病棟がある施設は、2019年2月現在で399施設あるので、がん患者の看護や終末医療に関心がある方は、ぜひ転職先の候補に加えてみてはいかがでしょう。緩和病棟は、一般的な病棟とは性質が異なり、慣れるまでは戸惑うことも多いかもしれませんが、患者一人一人に寄り添う看護をしたい場合は、やりがいを感じられるのではないでしょうか。